Kiwao Nomura

１

なので、

空がかゆい、

ひとつひとつのことをていねいに考えていった、

なので、光が届かない、

空がかゆい、

問題は皮膚だということか、ウヒャヒャヒャ、

ちゃんとおかしい叫びだった、

身をむちゃくちゃに伸ばして、

鼻歌もまた草の一種だ、

なので、なので、

どこかに骨を忘れてきちゃった、

空がかゆい、

２

発狂七分前、

虫が動き出した、

３

脳奥の、畝また畝の、古いまばらな神経の繁みのあいだに、私はてっきり、穀粒かなにかだと思っていた、それが揺れている、風が揺らしているのだろうか、注意を集中していると、まるでその注意に促されたかのように、それが動き出した、こっちに向かってくる、もう粒ではなくて虫である、どうしよう、外の世界のことであれば、虫をつぶすか、私がその場を立ち去るかすれば済むことだが、脳奥である、しかも一匹ではない、最初の一匹がいたところが巣穴にでもなっているのか、あとからあとから湧き出して、おぞましい、どうすることもできない、

４

虫のあとに虫がつづく、

それはほとんど、

ひとつひとつのことをていねいに考えていった、

ということ、

５

先頭の一団がはやくも九つめの畝をわたる、

次第に大きさを増し、

甘露がどうの、

羽衣がどうのとわめきながら、

むしろ縄である、

あたりいちめんの縄、

世界的縄、

ちぎれあう、

くびれあう、

６

虫をみて私は体中が眼だ、

という虫、

虫をきいて私は体中が耳だ、

という虫、

もし虫にふれたら私は体中が手だろう、

という虫、

どれひとつ離脱しない、

どれひとつ消失しない、

７

かと思うと、

揺れるコンビナートのような、大掛かりな虫のあとに、

血のくつろぎのなかで溺れる虫、

声の骨だけでできた虫がつづく、

８

私は仕方ない、

脳奥やや手前に壁を思い描いて、

虫の侵入にそなえる、

９

なので、

きょう、わたくし、終止符を打ったばかり、

未来くるくるです、

なので、ひっかく、

内なる野原よ、いまだ来たらずの、

思い出し笑いの波動を小脇にかかえ、猛烈に帳消しの、

帳消しの、遠く親しい皮膚の深度よ、

ひっかく、ひっかく、

なので、

きょう、わたくし、終止符を打ったばかり、

未来くるくるです、

１０

その終止符のような虫が、

ふわっと畝を飛び立ち、

ひと、ひれ、

ひれ、ひび、

と舞ったあと、

道はまえにあるにきまってるじゃないか、

というように、

ひとつさきの畝に降り立ち、

振り返る、

１１

かと思うと、

突然に名ざされている虫、

でなければその名ざしをうつろに響かせる泡、

その泡のような虫、

でなければその泡をとろとろと噴き出す塔、

その塔のような虫、

ぞろぞろぞろぞろ、

くさっても虫、

くさっても虫、

１２

おぞましい、どうすることもできない、先頭の一団はもうすく壁に達してしまう、引き返してくれればいいが、もし壁を登りはじめたら、いやそんなことはない、つるつるすべすべの切り立った壁だ、どんな思考も登ることはできないだろう、ひとつひとつのことをどんなにていねいに考えていっても、だから虫も、いやちがう、どこかで虫はいちだんと虫になっているかもしれない、思考など置き去りにしてしまうかもしれない、そうしたら壁を壁とも思わずに登ってくるだろう、そのときはもう、ああ、そのときはもう、

１３

ま、ままーむ、

音の虫、

はむ、ま、まーむ、

音の虫、

まーむ、まま、

謎めいて、

１４

発狂三分前、

虫が壁を登りはじめた、

街の、衣の、
いちまい、下の、
虹は、蛇だ、

街の、衣の、
いちまい、（meta）の、
蛇は、虹だ、

かすか、呼気、カーブして、
青く、呼気、カーブして、

わたくしは、葉に、揉まるる、
葉は、水に、揉まるる、

街の、衣の、いちまい、下の、虹は、蛇だ、
蛇の、眼々の、いちまい、横の、声は、ヨーガだ、
蛇の、眼々の、いちまい、（para）の、ヨーガは、
声だ、青い、赤い、声の、筋の、いちまい、上の、
景は、さやぐ、声の、筋の、いちまい、（poly）の、
景も、さやぐ、らむ、だむ、騒ぎ、だむ、たむ、
そよぎ、街の、衣の、いちまい、下の、虹は、
蛇だ、街の、衣の、いちまい、下の、蛇は、指だ、
街の、衣の、いちまい、下の、指は、雨だ、街の、
衣の、いちまい、下の、雨は、燐だ、きゃっ、燐だ、
赤い、青い、燐だ、街の、衣の、いちまい、下の、
燐は、麻だ、街の、衣の、いちまい、下の、麻は、
疹だ、併せて、人だ、きゃっ、ひとだ、青い、ひとだ、

街の、衣の、いちまい、下の、ひとは、襞だ、街の、
衣の、いちまい、下の、襞は、虹だ、街の、衣の、
いちまい、下の、虹は、蛇だ、らむ、だむ、騒ぎ、
だむ、たむ、そよぎ、ららら、ひとの腑、浮くよ、
ららら、ひとの辺、巻くよ、きゃっ、きゃっ、不滅、

すべてが、つねに、いくぶんか、間違い、である、
うほほ、ひとの穂、飛ぶよ、すべてが、つねに、
いくぶんか、青く、間違い、である、
かすか、呼気、カーブして、
青く、呼気、カーブして、
景を、あら敷き、
結合の、ぎゃっ、添え、
膜を、あら敷き、
分泌の、ひゃっ、添え、
街の、衣の、いちまい、下の、虹は、蛇だ、
蛇の、筋の、いちまい、横の、胼は、胝だ、
胝の、声の、いちまい、横の、疱は、瘡だ、

青い、黄色い、瘡だ、瘡の、影の、いちまい、
横の、蕾は、莢だ、莢の、今の、いちまい、下の、
褥は、街だ、ららら、ひとの端、透くよ、うらら、
ひとの非、凪ぐよ、ひたた、たむ、衣の、ざざ夢、
ふささ、さむ、衣の、にぎ夢、街の、衣の、
いちまい、下の、虹は、きゃっ、蛇だ、街の、
衣の、いちまい、下の、蛇は、きゃっ、虹だ、
虹の、衣の、いちまい、下の、蛇は、きゃっ、
街だ、虹の、衣の、いちまい、下の、街は、
きゃっ、蛇だ、蛇の、衣の、いちまい、下の、
青い、黒い、虹は、きゃっ、ひゃっ、街だ、蛇の、
衣の、いちまい、下の、舌は、街だ、虹だ、街の、
蛇の、いちまい、下の、舌は、衣だ、虹だ、街の、
蛇の、いちまい、下の、舌は、虹だ、衣だ、街の、
虹の、いちまい、下の、舌は、衣だ、蛇だ、街の、
虹の、いちまい、下の、舌は、蛇だ、ぎゃっ、

きゃっ、虻の、蚋の、ひゃっ、蚓だ、蛇は、
ぎゃっ、蚣の、蚪の、きゃっ、蚫だ、蛇は、
きゃっ、蚯の、蚰の、ぎゃっ、蚶だ、蛇は、
ひゃっ、蛄の、蛔の、きゃっ、蛞だ、蛇は、
ぎゃっ、蛻の、蜈の、ひゃっ、蜊だ、蛇は、
ひゃっ、蜒の、蝌の、ぎゃっ、蝴だ、蛇は、
らむ、だむ、騒ぎ、だむ、たむ、そよぎ、
蚶だ、蚯だ、蚫だ、蛔だ、蛞だ、蛟だ、蜒だ、
ふささ、さむ、衣の、ざざ夢、ららら、ひとの腑、
浮くよ、ららら、ひとの穂、飛ぶよ、きゃっ、
ひゃっ、ぎゃっ、きゃっ、きゃみ、神、髪、
街の、衣の、いちまい、下の、虹は、蛇だ、
わたくしは、葉に、揉まるる、
葉は、水に、揉まるる、
かすか、呼気、カーブして、
青く、呼気、カーブして、
街の、衣の、
いちまい、（meta）の、
蛇は、虹だ、
街の、衣の、
いちまい、下の、
虹は、蛇だ、

私たち、芥をちりばめて狂い、
芥を
ちりばめて狂い、

―おお空の息口、

春めき、ふぞろいな、
空の息口、ふぞろいな、
この土地の不思議なひだ、
不老川、

自生するままにそこに、私たち、芥をちりばめて狂い、

―藁の女神は春スキー、

風が立ち働く、
記憶の輪がふわっとふくれる、

―藁の女神は春スキー、

だがとりわけ、ひだ、不思議なひだ、
シャワーの快感にとりこめられた生活の小丘よりも、
みよ、縄のようによじれ、
ほどかれてゆくひだ、
不老川、

―そこに蛇もひそみ、妖星も落ち、

そして私たちもまた
眼をとじれば灼かれ、ちいさな骨となり、
ひとの膣で哭くまでの変態、
おおそのように、
灰であり、灰のみえない運び手、

―そこに蛇もひそみ、妖星も落ち、

このくるめきの奥はふかく、涼しく、
最後に
むなしさが輝度を得る。

それというのも
おはよう
　
窓を開けると
らくだがみえる
およそ考えられないこと（だが
　
らくだがみえる（らくだがみえる（根も葉もあるらくだが
白い高層アパートの隣の（ひからびた
ひからびたなまこがその√であるような
不定形の空き地に
　
数えてみよう
全部で７頭（３頭はすわり（４頭は立っている

生きるためには
窓の外はありふれていてほしい
空き地があり（草があり
空には死んだ鰻の腹のような雲があれば
それで十分
そう思っていたのだ（けれど
　
思いを閉じ
私たちはテーブルに昼食をならべる
冷たいトマトで和えたパスタ（と（血のソーセージ
　
それから午後の
おだやかな暑熱をひらく（ひらく（と
らくだは在りつづけている
白い高層アパートはますます白く輝き（ますます
ひからびたなまこがその√であるような
影のない空き地（そこに
在りつづけている
　
数えてみよう
全部で８頭（４頭はすわり（４頭は立っている
　
私たちにみられなければ
らくだは存在しない（というように
けれども（私たちがみていないとき
らくだは一層（らくだへと（あるいはらくだの√へと
ひきこもっているのかもしれない

わかりません（わかりません
　
こんばんは
空き地の向こうのマーケットに灯がともる
人の移動がはげしい（どこかに浜辺か事件があるのだろう
私は日本人です（ビールを一杯ください
　
数えてみよう
全部で５頭（５頭ともすわって（なまこのうえのなまこのようだ
　
わかりません
窓を閉め
私たちはセックスする
そう（そうにちがいない（殖えたり減ったりはするけれど
いなくなってしまうことはないだろう（決してないだろう
　
私たちのからだと
らくだ（とのあいだで
何かが交換されたようだ
　
夢見られたようだ（費消されたようだ（笑いに付されたようだ
　
それからまた
おはよう
　
白い高層アパートがまだ（まどろんで
くすんだ未来の崖のように
　　　　　　　　　　　　　　　　　　

不眠の夜の海は、アメリーの乳房のよう。
　　　　　　　　                          　　　--アルチュール・ランボー

                                 海にゐるのは、
                                 あれは人魚ではないのです。
                                 海にゐるのは、
                                 あれは、浪ばかり。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　                       　--中原中也

わたくしの果ての世の月明かりの
液晶の海に
ちらちら
みえているのは
あれは人魚でも波でもなく
眠れない女たち

人のうち
どこまでもやわらかく
重たげな肉をうねらせ分泌にみち
眠れない
とりわけ眠れない女たち

おおたえまなく寝返りをうつ女たち眠れない眠れない
するとたとえようもなく
うなじの明るみ
針を刺すと
ぞろぞろと白い虫たちがあふれ出すような

その照り映え
その照り映え
その照り映え

捕獲の網を手に

誰だわたくしは

夏の日の少年でもあるまいし

ただこんなにも睾丸が
睾丸だけが
卵黄のように垂れた月をまねて重い

そのあいだにも
眠れない女たちのすさまじいパーティだパーティ
ひとりが
パンプスをはいたままベッドを飛び越え
蹴り上げる昼の鬱屈の隣で
べつのひとりが
ベッドをたてて
くるくるとまわしはじめる
ワルツもうどうしようもなくワルツその照り映えその照り映え

わたくしの果ての世の月明かりの
液晶の海に
ちらちら
みえているのは
あれは人魚でも波でもなく
眠れない女たち

私は豚小屋が

ひとはひと星は星にうんざりして

いま異様に飴のように伸びてくる闇その闇かも

私は豚小屋が

その闇のなかをぽつぽつと光の染みさながらに

回帰する豚よあわれ

母の病んだ松果体の下の

私は豚小屋が

その永劫の梁から洩れる闇に溺れている叫び

私は豚小屋が

その叫びをなおも聴き取ろうとするとき

私より五倍も私なるべし

母の病んだ松果体の下の

私は豚小屋が

その永劫の梁に陽が糞尿のように激しく降る

あるいは糞尿が陽のように

私は豚小屋が

湯気を立てて笑う沈黙の土豊かならしむ

たがいに内に曲がり外に曲がり

たがいに促され誘惑されまたゆるやかに拘束され

私は豚小屋が

私は豚小屋が

眩暈とは全体が中心となることである

と知りコナラの葉むらひるがえるうつつ

毎日が眩暈だその縁から泡のように吹きこぼれて

私は豚小屋が

惑乱の私のかけらをさがす変かしら

私は豚小屋が

おお板々しい隙間から燃える頭蓋骨が見える

鹿色のオオスミハルカが流れ込んでくる

おお板々しい眠りの暑い壁

みつめているとぷつぷつと穴があき

私は豚小屋が

私は豚小屋が

なおも穴があき這い出てくる喃語の虫よ

私はやや肌に粟粒を生じをり

私は豚小屋が

死に給ひゆく母よ私を嚥下せよ嚥下せよ

そうして二度ともう私をひりだすな

二度ともう私をひりだすな母よ

私は豚小屋が

このむずがゆい身熱にすぎぬこのかたまりを

私は豚小屋が

いくつかの顔を浮かべてもみなまぼろし

その下から溶けた若い娘のような飢餓よあわれ

永遠が馬のかたちをして走り去ってゆくとき

私は豚小屋が

回帰してくるのは豚だいつも豚だ

私は豚小屋が

運んでいる不穏な筋肉隠れている

よい孤独わるい孤独朽ちかけの朽ちかけの

私は豚小屋が

ぬかるんでいる通路をどのように豚小屋へ

接続されるのかを知らず冬の夕ぐれ

私は豚小屋が

この地上わけもなくコンビニに火をつけたくなり

筋肉がひかり豚小屋がうごめく

デジャヴュ、

さながらてのひらのうえを走るように、

紙葉一枚ほどのくすんだ空の奥の、その右上あたりから、

私たちの目のはるか下へ、たとえば立ったまま眠る、

祖の腰のあたりへと伸びて──

オルガスムス屋が行く、

神経の蟻が行く、

と、その道をよぎるべつの道たちが、

デジャヴュ、

長短さまざまにちぎれた糸屑のさまをなして浮かび上がり、

まれには、少女の脛のうえの

かすれた傷痕のような風情をみせながら、

どれも一様に陽に照らされて、

右へ左へと揺れうごくので──

神経の蟻が行く、

錆と苔が行く、

こうして全体が、

まるで地のおもてのどこかしらの、

デジャヴュ、

数知れぬ交叉路を身にまとった街道そのままに、

空のおもての鏡にでも映し出された、というように──

錆と苔が行く、

またオルガスムス屋が行く、

そうなのだ、

さらにつぶさに眺めると、

街道のところどころがわずかにねじれていて、だからその、

いわば脇腹や背の部分までもがいっときあらわにされ、

デジャヴュ、

ためになお一層、いのちとしての街道の

息づき脈うっているのが際立たせられ──

オルガスムス屋が行く、

霊の抜け駆けが行く、

かたわらには、

とりわけ脇道との付け根のあたりには、

水滴のようにこびりついた廃屋の数かぎりなく、

あるいは伸び放題の灌木の茂み、

干からびた犬の死骸らしきものも散見されて、

してみれば棄村の形跡はあきらかなのに、なぜ、なぜ

道だけが無疵のまま生々しく、

デジャヴュ、

空のおもてを縫ってなもうねってゆくのか、

謎めいてゆくのか──

霊の抜け駆けが行く、

また神経の蟻が行く、

おお、いったい何のための、

誰のための、これは通い道、

と問いかけたそのときだった、まさにそのとき、

空の奥のその街道のうえを、

ひとの痕跡を運び、

また喰らう微細な生き物の列らしき影が、

さながらひとの染色体のように、

ひとしきり激しく昇り降りするのを、

なすすべもなく私たちは眼に、

デジャヴュ、

したのだった──

神経の蟻が行く、

また錆と苔が行く、

その昇降管のなかを、その昇降管のなかを──

いましきりと雨条のなかを

私は鳥がはばたいて消え去るのをみた

つまりしきりと

私ははばたいて鳥が消え去るのをみた

またはべつの呪文もあり

鳥が消え去るのをはばたいてみた私は

などと実りなく

鳥が私は消え去るのをはばたいてみた

あたりは静かでまるで静かで

はばたいて私は消え去るのをみた鳥が

狂念もうこれっきりと

はばたいてみた鳥が消え去るのを私は

抱きとめて　　　　　

いや書きとめて　　　　

消え去るのをはばたいて私は鳥がみた

狂念もうこれっきりと

消え去るのを鳥がみた私ははばたいて

あたりは静かでまるで静かで

みた私は消え去るのを鳥がはばたいて

などと実りなく

みた鳥ははばたいて消え去るのを私が

またはべつの呪文もあり

鳥ははばたいてみた私が消え去るのを

つまりしきりと

とりは私がはばたいて消え去るのをみた

いましきりと雨条のなかを

柔らかな戦争がしてみたい

夏の午前二時になると

この街の縁辺がまず反りはじめ柔らかな戦争が

してみたい蛇行する河のかたちになって

漆黒をのぼりつめ

ぼくの額のすぐそばに滞留するから

するとようやく風がかよい

きらきらした中間地帯が柔らかな戦争が

幾ばくかの星をたずさえてあらわれるおお

柔らかな柔らかな

待機の姿勢からも夢は漏れ出るのだそこへ

赴こうとするぼくのもっとも感じやすい中枢は

この街の縁辺と紙一重に舞って

アーバニスト

秘匿しておきたかった足さきの

柔らかな戦争がしてみたい疼きまでもが

思わずなぞられてしまう

（後半三十九分、紅葉走る、紅葉走る、卵を、ひりだされた卵を、無限からひりだされた卵を、眉山ら、眉山らフォワード、眉山らフォワードが押し込んだセットスクラム、熱いセットスクラム、のような無限、硯友社跡の無限、すなわち眉山らフォワードが押し込んだ熱いセットスクラムのような硯友社跡の無限からひりだされた卵を、紅葉とらえ、スクラムハーフ紅葉とらえ、走る、フェイントで、フェイントで左へ、フェイントで左へ出ると見せ、右のブラインドサイドを、紅葉突破、紅葉突破、と誰もが思う、もうつぶされたと誰もが思う、3人の敵に囲まれてもうつぶされたと誰もが思う、そのとき、卵が、紅葉から卵が、紅葉からパスされた卵が、紅葉から美妙にパスされた卵が、紅葉からミリ単位で測ったように美妙にパスされた卵が、さらに小波にパスされ、小波走る、小波走る、卵を抱え、卵になって、卵のまま、瞬間の卵のまま、あとわずかな瞬間の卵のまま、トライまであとわずかな瞬間の卵のまま、コーナーフラッグぎりぎりへトライまであとわずかな瞬間の卵のまま）